活用している理論について

【行動変容ステージ】セルフエフィカシーを理解することは運動を習慣化する第一歩

運動をする自信がない

運動ができないのは自分のせい

セルフエフィカシーってなんだろう

 

運動を始めようかなっと思うときによく聞く悩みです。

 

運動に対する自信がないことやできなかったときは自分の問題、そう思っている方多いのではないでしょうか。

 

自信がないことやできないのは自分の問題ではないとしたらどうでしょうか。

 

運動をする自信がない・できないというのは、多くの場合、間違った思い込みや間違った方法を行っていることが原因です。

 

これに気づくためにはセルフエフィカシーを理解することが重要です。

 

私は、「運動」を通して、患者さんの生活を改善する理学療法士という仕事を10年間行っています。運動については、一般の方よりも少し専門的な知識や技術を持っています。

 

今回は、セルフエフィカシーとセルフエフィカシーを高める4つの要素からみるアクションプランについて解説します。

 

この記事を読むことで、運動に対する自信のつけかたや運動を継続するための適切な方法・考え方を身につけることができます

 

セルフエフィカシーとは

ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことができるのかという個人の確信のことである。

引用元:Bandura A.Self-efficacy:Toward a Unifying Theory of Behavioral Change.1977

運動の習慣化からみて、セルフエフィカシーを言い換えるならこんな言葉になります。

 

【運動を習慣化するために必要な行動をうまく行える自信のこと】

 

セルフエフィカシーが上がるほど、運動を続けることへの自信が増え、ちょっとしたことがあっても運動が中断されることが少なくなります

 

仕事で例えるなら、同じ失敗をしたときの捉え方が分かりやすいです。

 

仕事に対するセルフエフィカシーが高いと、「失敗した経験を次に生かそう」と捉え、次の行動につなげます。

 

その反面、セルフエフィカシーが低いと、「この仕事向いていないかも」と捉え、行動が止まりがちになります。

 

つまり、セルフエフィカシーが高まるほど、ちょっとした失敗にもめげずに、行動を続けることができるようになります。

 

セルフエフィカシーを高めるための4つの要素

運動を習慣化するために重要なセルフエフィカシーを高める要素は次の4つです。

  • 遂行行動の達成
  • 代理的体験
  • 言語的体験
  • 生理的および感情的状態

 

それぞれについて解説していきます。

 

遂行行動の達成

自分が決めたことを行動していくことで達成感が得られます。

 

ここでは、小さなことでもいいので成功体験を積んでいくことが重要とされます

 

この遂行行動の達成は、4つの要素の中で1番セルフエフィカシーを上げやすいと言われています。

 

代理的体験

周りで運動を習慣化している人の体験談を聞くことです。

 

体験談を聞いて、自分と似ている環境の人の成功体験や問題にあたったときの解決方法などを学ぶことでセルフエフィカシーが上がるとされています。

 

この方法だったら、自分にもできるかも」と思えることが重要です。

 

言語的説得

周りの専門家や友人などから励ましをもらったり、自分で自分を褒めるなどの言語的な説得を行うことです。

 

望ましい行動をしたことを、他者や自分で認めてあげることがセルフエフィカシーの向上につながります。

 

生理的および感情的状態

行動をしたときに感じた身体の変化(感覚)や運動に対する考え方のことです。

 

運動をした際に感じるポジティブな感覚・変化に気づいたり、運動に関する視点をよい方向にしていくことがセルフエフィカシーの向上につながります。

 

4つの要素からみるアクションプラン

これまでは、セルフエフィカシーを高める要素についてお伝えしました。

 

4つの要素が分かっても、具体的な方法が分からないと行動しにくいと思います。

 

次からは、各要素ごとでのアクションプランの具体例を説明していきます。

 

遂行行動の達成

アクションプランは、適切な目標設定をすることです

 

この場合の「適切」とは、これならできるかもと思う頻度や回数よりも少ない設定から始めて、目標とする頻度や回数に向けて段階的な目標を設定することです。

 

僕が初心者の方におススメするのは、1に関連する頻度、回数を設定することです。

 

たとえば、週1回、1分間ウォーキングする。週1回、1回スクワットする。などです。

 

そこから、1か月後に1ずつ増やして、週2回、2分間ウォーキングする、週2回、2回スクワットするに変更したりします。

 

これを聞くと、大部分の方がこれならできるよと思うとともに、こんな頻度と回数で結果出ないでしょと思うはずです。

 

ここで大切なのは、結果ではなく自分が立てた目標を達成することです。

 

小さな目標を達成することで、セルフエフィカシーが高まります

 

やってみると気づきますが、やっているうちに「もう1分やってみようかな」、「1回やったからついでに10回までやっちゃおう」など自然に頻度や回数が増えていきます。

 

 

行動に初速をつけるには、可能な限りハードルを低くすることです。ぜひ、ためしに行ってみてください。

 

代理的体験

アクションプランは、SNSやブログなどを利用して運動習慣をつけることに成功した人や運動習慣をつけるために楽しく行動をしている人を参考にすることです。

 

専門的な用語でモデリングといいます。

 

知人で運動習慣をつけるために行動している人がいれば、その方の行動を参考にするといいです。

 

もし、よかったら僕のブログも参考にしてもらえたら嬉しいです。

 

言語的説得

知人で運動習慣をつけるために行動している方がいれば、その方と運動内容を教えあったり励ましあったりしていきましょう

 

また、自分で自分を褒めてあげたり、励ましたりすることも効果的です

 

知人で行動している人がいない場合はSNSを活用するのも良いでしょう

 

僕は、Twitterで運動をしている方を見つけて応援コメントを送っています。

 

もし僕でよければTwitterから声かけてください。喜んで応援します!できれば僕の運動も応援してもらえると嬉しいです。

 

生理的および感情的状態

こちらのアクションプランは3つあります。

  • セルフモニタリング
  • セルフコントロール
  • 認知再体制化

 

セルフモニタリング

運動をした日や腹囲、体重などの記録を残し、自分の身体の変化への気づきを高めます。

 

運動をした日を振り返ったり、体重を確認することで自分の行動の回数や身体の変化に気づき「頑張っている」と思うことで自分への自信につながります。

 

1つだけだと、変化に気づきにくかったりするので、3~4つぐらい記録を残すのがおすすめです。

 

セルフコントロール

自分の心身の調子を管理することです。具体的には、睡眠時間をしっかり確保する、マインドフルネスを行うなどです。

 

睡眠付属で身体がだるかったりすると、運動をしようという気にはなりにくいですよね。

 

また、悩みがあってネガティブになっているときも運動に前向きになりにくいです。

 

そのため、運動ができる心身状態を保てるよう調整方法を身につけましょう

 

認知再体制下

「運動ができない自分はダメだ」などの思い込みを視点を変えて修正することです。

 

多くの方が誤解していますが、運動を習慣化できないことはあなたの意志が弱いとかはあまり関係ありません。

 

習慣化できない理由は、習慣化の段階(行動変容ステージ)の知識不足だったり、段階にあわせた行動・考え方がとれていないことが多いです。

 

そのため、自分の意志を原因にするのではなく、方法や考え方が悪かったと思い、修正していくことが大切です。

 

参考に行動変容ステージを活かすの記事を読んでみてください。

 

まとめ

今回は、セルフエフィカシーとセルフエフィカシーを高める4つの要素から見たアクションプランについて解説しました。

 

セルフエフィカシーとは、運動を習慣化するために必要な行動をうまく行える自信のことです。

 

セルフエフィカシーを高める4つの要素は次の通りです。

  • 遂行行動の達成
  • 代理的体験
  • 言語的体験
  • 生理的および感情的状態

 

4つの要素からみたアクションプランはこちらになります。

遂行行動の達成
・適切な目標設定

 

代理的経験
・知人やSNSを活用し、運動習慣化のために行動している人を参考にする

 

言語的説得
・知人やSNSを活用し、同じく行動している人と教えあったり励ましあったりする。
・自分で自分を励ましたり褒めたりする

 

生理的および感情的状態
・身体の変化に気づきやすくなるよう記録をとる
・心身の状態を保つために、睡眠時間を確保したりマインドフルネスを習得する
・視点を変えて、自分が悪いという思い込みをなおす

 

セルフエフィカシーについて理解を深め、アクションプランを実行することで自分に対して自信をもつことができます。

 

逆に言えば、アクションプランと真逆のことを行えば、運動習慣化の挫折につながります。

 

今回紹介したアクションプランをすべてではなくてもいいので、自分ができそうなものを1つでもいいので行ってみてください。

 

あなたの運動習慣化が効率的になるように、この記事を活用してもらえたら嬉しいです。

 

運動の習慣化に向けて頑張りましょう―!

  • この記事を書いた人

kan

理学療法士/経験年数:11年/行動変容段階モデルを活用し、運動習慣0から週6回の運動習慣を身につける/運動習慣を身につけられる人を増やし、日本の健康寿命を延ばすために情報を発信していきます。

-活用している理論について