準備期のアクションプラン 行動変容ステージを活かす

【行動変容ステージ】準備期のアクションプランについて解説!

運動はやってみたけどモチベーションが続かない

仕事が忙しくて運動を止めてしまった

運動する時間がない

 

運動にチャレンジした人なら一度はこんな悩みを抱えたことないでしょうか。

 

この悩みは、あなたの意志が弱いからではありません。運動をするための準備が足りなかっただけかもしれません。

 

私は、「運動」を患者さんに提供する仕事を10年しています。仕事柄、患者さんが「運動」を継続するための準備をお手伝いしてきた実績があります。

 

今回の記事では、運動を続けるためのステップ(行動変容ステージ)と、運動をするための適切な準備方法について解説していきます。

 

今回の記事を読むことで、あなたの生活に合った運動の取り入れ方を計画することができ、運動を続けられる可能性がグッと高まります

 

僕の現在の仕事やブログ内容について興味がある方はこちらをご覧ください。

ブログと筆者についてのご紹介|GraReHabit.Exercise

 

準備期について

Transtheoretical -model

 

この図は、人が行動を変えるための過程を表した「行動変容ステージ」です。準備期は、行動変容ステージのなかの1つの段階です。

 

以下のような方が、準備期の段階にあたります。

  • 運動を1カ月以内には始めようと思っている
  • 理想の内容ではないが、運動をしている。

 

理想の内容というのは、一般的に運動の効果を得るために提唱されている運動の頻度や時間のことです。

 

ダイエットを例にいえば、30分以上の有酸素運動を毎日行いましょう。が理想の内容です。

 

毎日じゃないけど、週に2回は30分できてる

毎日、10分はできてる

週に1回で20分ぐらいの運動はしている

など、理想の内容には到達していないけど、実際に行動している方が準備期に当てはまります。

 

行動変容ステージについて紹介した記事もありますので、興味がある方はこちらもご覧ください。

運動を習慣化させるために知っておくべきたった1つのコツ

 

kan
準備期は、理想の内容で運動をするためのウォーミングアップ時期と考えるとイメージしやすいですね。

 

準備期の目的

 

準備期は、これから運動を理想の内容で行っていけるように、ウォーミングアップをしていく時期になります。この時期に、運動に対する意識や対策などの土台を作ることで運動を継続する可能性を上げることができます。

 

準備期については、次の3つの目的を抑えていきましょう。

自分をよく知る

運動をする目的を明確にする

目的は果たすための道しるべを作る

 

自分をよく知る

 

なぜ、自分を知らなくてはいけないのか。それは、自分の生活スタイルや性格、運動に対する価値観が運動を継続することに大きく影響するからです

 

実際にこんな感じの人がいたとします。

仕事の拘束時間が長い、おおざっぱな性格、運動はしたいけど仕事のほうが大切

 

こういったライフスタイルや特徴、価値観を持っている人を例によくありそうな流れをお伝えします。

 

最近太ってきたな。運動した方がいいかな。

 

私は週3回、30分のランニングと摂取カロリー・消費カロリーを計算したら痩せられたよ

 

すごいね。痩せるために頑張ってやるしかないか…。詳しく教えてよ

 

運動のほうは最近どう?

 

やってみたけど、仕事で運動する時間もとれないし、カロリー計算も途中でめんどくさくなって無理だよ。俺にはダイエットなんかできっこないよ

 

悩めば悩むほど、こんな風に自分のことを無視した内容を取り入れがちになります

 

この失敗はなぜ起こるのでしょうか。

 

それは、他の誰かが成功した内容はその人に合ったもので、必ずしも自分の生活スタイルや性格、運動に対する価値観に合ったものではないからです。

 

運動を継続するためには、自分の生活スタイルや性格、価値観などに合わせた内容をオーダーメイドしていく必要があります。

 

運動を継続できるように、まずは自分をよく知り本記事のアクションプランを行っていきましょう。

 

運動をする目的を明確にする

 

運動をする目的を明確にすると、生活の中での運動の優先順位を高められます

 

痩せたい、健康でありたいなど漠然とした目的では、運動を【継続する】よりも、運動を【する】ことが目的になりやすくなります。結果として、運動の優先順位が下がっていき、運動をするよりも他のことをやっていたほうがいい状態になります。

 

運動の優先順位を下げないためにも、本記事のアクションプランを実行して運動する目的を深堀りしていきましょう。

 

目的を果たす道しるべを作る

 

ここでいう道しるべとは、目的を達成するまでの、期間や方法、想定外のことが起きた際の対応方法を言います。

 

運動を挫折してしまうときは、この道しるべが圧倒的に少なかったりします。目的地を入力しても、途中の道順を案内したりしなかったりするナビゲーションみたいなものです。そんなナビがあったら、目的地まで時間がかかったり、行くのをあきらめてしまいますよね。

 

途中で道に迷わないように本記事のアクションプランを参考に道しるべを作っていきましょう。

 

アクションプラン

 

準備期のアクションプランは次の5つになります。

  • 自分の1日の流れを確認する
  • なぜ運動をしようと思ったかを考える
  • 行動計画を立てる
  • 自分へのご褒美を用意する
  • 行動や結果が分かる方法を考える

 

自分の1日の流れを確認する

Weekday-schedule

 

まずは、自分の1日の流れを再確認しましょう。

 

可能であれば、平日と休日に分けて考えていきましょう

 

1日の流れを確認する効果は次の3つです。

  • 自分の自由に使える時間が分かる
  • 時間に応じた運動を選択できる
  • 自分の生活リズムを崩さずに運動を取り入れられる

 

自分の自由に使える時間が分かる

 

準備期の段階は、運動をすることよりも優先して行いたいものがたくさんある状況です。

 

運動を習慣化するための近道は、運動をするために時間をつくるのではなく、空いている時間に運動を入れることです。

 

まずは、運動を入れる時間がどこにあるかを考えていきましょう。

 

実際のやり方は僕が実践していますので、興味がある方はこちらの記事をみてください。

【体験談】運動が続かない社会人の運動習慣化までの奮闘記(きっかけづくり編)

 

時間に応じた運動を選択できる

 

運動を定期的にできる時間を見つけたら、その時間でできる運動を選んでいきましょう。

 

運動をする時間が10分しかないなら、10分でできる運動をyoutube等で探してみましょう。

 

週に1回で運動の効果って出るの?たかが10分の運動になんの効果があるの?

 

こんな疑問がでてきそうですね。

 

はっきり言えば、週1回の運動では目に見える効果はでません。ただ、あなたの運動に対する価値観に影響を与えます。

 

準備期は運動を習慣化するためにウォーミングアップを行う時期です。

 

ウォーミングアップを全力でやる人はいないですよね。

 

この時期に、効果を出すための週3回30分程度の有酸素運動をやっても挫折する可能性を高めるだけかもしれません。

 

この時期に大切なのは、週1回5分でもいいので運動を継続して、自分自身に対する自信をつけることです。

 

有酸素運動、筋トレなど運動の種類は問いません。

 

自分ができそうだなと思うyoutube動画を、時間に合わせて行っていくことが大切です。

 

最低でも1週間に1回の頻度で行い、1カ月続けられたら自分を褒めて、本番に向け気持ちを高めていきましょう。

 

生活リズムを崩さずに運動を取り入れられる

 

1日の流れを確認することで、運動を行える時間を見つけることができます。

 

運動をする時間を作るのではなく、空いている時間に運動を入れることを意識しましょう。

 

準備期の方は、運動の優先順位がそんなに高くありません。

ゲームをしてから、運動をやろう

このyoutubeみてから運動をやろう

あと5分...あと5分後に

お風呂入る時間だから運動は明日やろう

 

こんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

 

この状況こそ、運動の優先順位が低い状態です。

 

この状態のときに、わざわざ運動をする時間をねじ込むと運動をするハードルがさらに上がってしまいます。

 

1日の流れを確認し、空いている時間に運動を入れることで、生活リズムを崩すことがなくなり、運動を続けられる可能性が高くなります

 

なぜ運動をしようと思ったかを考える

 

あなたが運動をしようと思ったのはなぜでしょうか。

 

運動をしようと思った理由を深堀することで、運動の価値を高められます。

 

方法はいたって簡単です。

 

運動をしようと思った理由に「なぜ?」と自分に1~2回問いかけだけです。

 

僕の場合を例に考えてみましょう。

運動をしようと思った理由

「健康でいたい、ポッコリお腹をなおしたい」

 

なぜ?(1回目)

「健康な状態で家族と暮らしたいから。カッコいいパパになりたいから」

 

なぜ?(2回目)

「脂質異常症で病気になりやすいから。自分自身に自信を持ちたいから」

 

こんな感じで深堀すると、運動を行う理由を具体的にすることができます。

 

具体的な理由ができると、フワッとした理由よりも、運動に対するモチベーションを湧きあがらせることができます。自分自身の内面から湧き上がるモチベーション(動機付け)を内発的動機付けといいます。

 

自分自身になぜなぜ攻撃を行い、内発的動機付けを行いましょう

 

行動計画を立てる

 

行動計画を立てる時には、次の項目ごとに分けて計画を立てていきましょう。

  • 期間
  • 目標
  • 運動種類
  • 予測されるトラブルへの代替え案

 

期間

 

期間は、最低でも6カ月間で考えましょう。

 

運動の優先度が低い状態から始めると、最適な運動の頻度を習慣化するためにはだいたい6カ月くらいかかります。

 

運動の優先度が低い状態だと、週単位ではなく月単位で運動の頻度や時間を増やしていかないと、身体と心がついてこれなくなる可能性があります。

 

ただ、特例で「世界仰天ニュース」のダイエット特集に紹介された方のように、何かがあって運動の優先度が爆上がりしている方は6カ月未満でもかまいません。(あまりおすすめしませんが)

 

ダイエットの神様が降りてる状態ですね。

 

具体的な内容は、「まとめ」の段落にあるリンク記事をみてください。

 

目標

 

目標は、最終的な目標と1カ月ごとの目標に分けて考えていきましょう。

 

最終的な目標は、理想とされる内容となります。

 

健康を維持することであれば、週に合計120分の有酸素運動、週2回の筋トレが理想とされる内容です。

 

ネットや書籍で言われている、効果が出る運動の内容を最終目標にしましょう

 

最終目標に近づけるように1カ月ごとの目標をつくっていきます。

 

具体例

最終目標:週合計120分の有酸素運動、週2回の筋トレ

1か月目:週1回、30分の有酸素運動

2か月目:週1回、30分の有酸素運動に加え週1回の筋トレ

3か月目:週2回、30分の有酸素運動、週1回の筋トレ

 

このように、一気に増やすのではなくひとつの項目ごとに週1回ずつ増やすことで習慣化の可能性が上がります。

 

結果が出るまでは時間がかかりますが、習慣化を目的にするのであれば達成しやすい小さなステップで設定しましょう。

 

急がば回れです。

 

運動種類

 

運動を習慣化するための目的は、一人ひとり異なると思います。

 

僕のように、健康と体形の変化を目的にする方もいれば、ダイエットを目的にする方もいると思います。

 

どの目的でも、だいたいは有酸素運動と筋力トレーニングの2種類になると思います。

 

ただ大変なのはその次ですよね。

いつすればいいの?

どのくらいすればいいの?

週に何回すればいいの?

どの部位を筋トレすればいいの?

 

ここに関しては、前述したように理想の内容を目標に、現在の自分の運動習慣に合わせて達成しやすい内容にしましょう。

 

ポイントとしては、1つずつです。

 

運動習慣がまったくない人は、有酸素運動と筋トレ2つともやるよりは、まずはどちらか1つ行うようにしましょう。

 

  1. 週1回有酸素運動を行う。
  2. 1カ月続けられたら、週1回の筋トレを追加して行う。

 

こんなふうに、歩みは遅いですが1つずつを意識して行ってみましょう。

 

予測されるトラブルへの代替え案

 

運動を習慣化するうえで、トラブルはつきものです。

 

はじめに、予測されるトラブルを想定して代替え案を考えておくとうまく対処できる可能性があがり、挫折しづらくなります。

 

時間や天気といった物理的なものと自分の考え方の2つで考えるのが良いです。

 

僕の場合を例にしてお伝えします。

 

物理的なトラブル

 

何かの理由で運動をする時間に運動することができなかった

対策

  • 違う時間にずらす
  • 次の週にすればいいかと考える

 

雨や雪が降って、ランニングができない

対策

  • 自宅でできる有酸素運動の動画で対応する
  • エアロバイクの購入を考える

 

自分の考え方

体重や腹囲などが変わらない(または増えた)

対策

  • 結果ではなく、それまでの行動にフォーカスして自分を認める

 

なにかの理由(疲れやメンタルを病んだ時)で行動(運動)できなかった

対策

  • 運動を休んで、身体や心の休養を優先することを自分で決めたと考える

 

自分へのご褒美を考える

 

自分へのご褒美は、今までの生活を変え、運動を取り入れる行動をした自分自身を認めることに繋がります。

 

運動という行動をした自分を認め、自分自身にご褒美を与える一連の流れはひとつの成功体験になります。成功体験は、セルフエフィカシーを高める効果もありますので、一石二鳥ですね。

 

kan
セルフエフィカシーは、ここでは運動をうまく継続することができる「自信」のことを言います。自信をつけることは、運動を継続させるために必要な要素の1つです。

 

ご褒美は、好きな食べ物や趣味、物なんでもいいと思います。

 

個人的には、セルフエフィカシーに繋がるようなご褒美がいいと思います。僕の場合を具体例にすると、活動量が分かるフィットネストラッカーやダンベル、エアロバイクなどですかね。

 

kan
ご褒美の行き過ぎには注意しましょう。ダイエット目的なのに、毎回ホールケーキをご褒美にしたり、ブランドもののバックを買ったりと運動の効果をマイナスにしたり生活ができなくなってしまわないようにしましょう。

 

行動や結果が分かる方法を考える

 

運動の記録を残したり結果を知ることは、次の二つの理由があります。

  • セルフエフィカシーを高める成功体験のため
  • 外発的動機付けのため

 

セルフエフィカシーを高める成功体験のため

 

「自分へのご褒美」の項でもお伝えしたようにセルフエフィカシーを高める成功体験をするためには、自分の行動(運動)を覚えておかないといけません

 

週1回ぐらいであれば覚えていられますが、週2~3回ぐらいになってくると記憶があいまいになってきたりもします。

 

あいまいになってしまうと目標を達成(成功)したかどうかもあいまいになってしまい、セルフエフィカシーの向上につながりにくくなります。

 

セルフエフィカシーを効率的に高めるためにも、自分の行動(運動)をした記録を残しましょう。

 

外発的動機付けのため

 

自分が行動(運動)をすれば、なにかしらの結果が得られます。ただ、この結果は意図的に数値化しておかないと分かりにくい場合があります。

 

ダイエット目的で運動をしたら、雰囲気的に身体がシュッとしたかなと感じて体重計に乗ると1㎏減っていた!なんてあるあるですよね。

 

このときの、雰囲気で結果が分かった時と、体重計に乗って数値的な結果が分かった時だと、数値的な結果が分かった時のほうが嬉しい人多いのではないでしょうか。

 

また、結果が分かった時にはまた頑張ろうとモチベーションがすぐ上がりますよね。これが、外発的動機付けによるモチベーション向上になります

 

そのため、結果に関しては可能な限り数値で分かるようにすることがおすすめです。

 

kan
運動開始直後は、数値的な結果が得られにくいです。望んだ結果が得られなかった場合には、結果ではなく自分の行動にフォーカスをあてて

、行動をした自分をまずは認めてあげましょう。これも前述した「予測されるトラブルへの代替え案」になります。

 

具体的な方法

 

それでは、具体的に行動や結果が分かる方法について、僕の場合を例にお伝えします。

 

僕の場合は、行動(運動)の記録として次のものを利用しました。

  • ランニングアプリ
  • フィットネストラッカー
  • グーグルスケジュール

 

ランニングアプリとフィットネストラッカーは有酸素運動の記録に利用しました。この中でも、フィットネストラッカーは、スマホと連携させれば自動で有酸素運動以外の情報も記録してくれるのでオススメです。

 

グーグルスケジュールは、筋トレの際に使用しています。筋トレをする予定時間に筋トレ部位とともにお知らせが入るので、リマインダーとしても役立っています。

 

記録に関しての個人的なポイントは、なるべくめんどくさくないことです。なるべく負担がないものを選択したほうが継続しやすいと思います。

 

結果については、次の項目を使用しています。

  • 体重
  • 腹囲
  • 体脂肪率
  • 健診のコレステロール値

 

体重、腹囲、体脂肪率は個人的に毎月1回測定しています。コレステロール値は毎年1回です。

 

まとめ

 

今回は、運動を習慣化するまでの段階のなかの「準備期」の方に向け、準備期の説明や具体的なアクションプランについてお伝えしました。

 

準備期に当てはまる方は次の通りです。

  • 運動を一カ月以内に始めようとしている
  • 理想の内容ではないが、運動をしている

 

準備期の目的は次の3つです。

  • 自分をよく知る
  • 運動をする目的を明確にする
  • 目的は果たすための道しるべを作る

 

準備期のアクションプランは次の5つです。

  • 自分の1日の流れを確認する
  • なぜ運動をしようと思ったかを考える
  • 行動計画を立てる
  • 自分へのご褒美を用意する
  • 行動や結果が分かる方法を考える

 

準備期は簡単に言えば、運動を習慣化させるためのウォーミングアップの時期です。

 

自分としっかり向き合い、今の生活の中で運動を取り入れられそうな時間がみつけることから始めましょう。

 

そのあとには、小さい行動目標を立て、うまくいかなかったときの対応方法を考えましょう。

 

モチベーションを高めたり維持するためのご褒美を考え、行動や結果が分かる方法を決めましょう

 

運動を開始する前にアクションプランを行ってもいいですし、運動を開始しながらアクションプランを行い行動をすこしずつ変えていっても大丈夫です。

 

僕が準備期の際に行った時のことを記事にもしていますので、もし興味がある方はこちらも見てみてください。

【体験談】運動が続かない社会人の運動習慣化までの奮闘記(きっかけづくり編)

 

運動の習慣化ができるよう一緒に頑張っていきましょう!

  • この記事を書いた人

kan

理学療法士/経験年数:11年/行動変容段階モデルを活用し、運動習慣0から週6回の運動習慣を身につける/運動習慣を身につけられる人を増やし、日本の健康寿命を延ばすために情報を発信していきます。

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